
バイオリンでピッツィカートとアルコを切り替える方法
バイオリンの右手には基本的な2つの技法があります。指先で弦をはじくピッツィカートと、弓を弦に渡して動かすアルコです。楽譜は各奏法が始まる場所の五線上に置くpizz.とarcoで切り替えます。一度指定された奏法は相手の記号が取り消すまで有効で、小節線、休符、反復記号では変わりません。この規則を理解するのが明瞭に読む第一歩です。
第二歩はタイミングです。はじく奏法から運弓への変更は瞬時にはできず、弓を休めた位置から弦へ戻す必要があります。隙間なくピッツィカート音からアルコの拍へ進むなら、音の間に身体的な準備をしなければならず、難しくなります。初心者の楽譜は親切で、最後のはじく音と最初の弓の音の間に休符を置き、無音の準備区間を与えます。この記事ではバイオリンの第2弦の開放Dによる4小節練習を、確認済みの記譜、拍ごとの時間軸、6段階の手順で説明します。
1. ピッツィカートとアルコの意味
語のpizzicatoはイタリア語で「はじかれた」の意味です。通常の楽譜では略語pizz.を、はじき始める時点のト音譜表上に書きます。初心者は右手で弓を通常の位置に持ったまま、置かずに右人差し指で弦をはじきます。上級者は左手のピッツィカートも使い、20世紀の曲にはバルトーク・ピッツィカートという弦を弾き付ける奏法などの拡張技法もありますが、ここでは初心者の記譜でpizz.と示す通常の右手の奏法だけを扱います。
語のarcoはイタリア語で「弓」です。楽譜ではpizz.を取り消し、そこから弓で弦を弾く指示です。それ以外の情報は含まず、ピッツィカート前と同じ運弓と腕の位置を使います。慣習では略さずarcoと完全な語を書きます。

小節冒頭のpizz.ははじく指示です。後の2分休符は2拍の無音で、その間も奏法はピッツィカートです。

arcoはpizz.を取り消し、弓へ戻る指示です。次のpizz.まで続きます。
上の両図は開放D、D4を使います。標準調弦G3、D4、A4、E5の低い方から2本目の弦です。左指が不要なため変数が1つ減り、右手動作と奏法の認識に集中できます。
2. 両方の奏法は継続する
楽譜の最重要規則は、両記号が継続して有効であることです。Elaine Gouldの標準参考書Behind Bars(Faber Music、2011)は専門浄書者向けに明示しています。pizz.はarcoが取り消すまで有効で、arcoはpizz.が取り消すまで有効です。それ以外の記譜上の出来事ではリセットしません。
つまり小節線はピッツィカートを取り消しません。第1小節にpizz.があり第2に新しい奏法記号がなければ、第2もピッツィカートです。

第2小節には新しい奏法記号がなく、第1のpizz.が有効です。小節線は何も変えません。
休符も取り消しません。2分音符の後に2分休符があり、奏法がpizz.なら、休符は無音でも、その間も後もピッツィカートです。

第2小節1拍目のarcoが第1のpizz.を取り消します。奏法を変えられるのは新しい奏法記号だけです。
逆も同様に確かです。arcoはpizz.が置き換えるまで続きます。両方が同時に有効にはならず、どちらも自動でリセットしません。

奏法の4規則。現在の奏法を変えられるのは新しいpizz.かarcoだけで、小節線、休符、反復記号ではありません。
読むときは対象音から戻り、直近のpizz.またはarcoを探します。それがその音の有効な奏法です。それ以前のどこにもなければ先生に相談します。編集者が通常のarcoなどを印刷せず既定と考えた可能性があります。
3. 開放D弦
全例は標準調弦バイオリンの開放D、D4だけを使います。標準の開放音は低い順にG3、D4、A4、E5です。D4はMIDI 62、中央Cの上の実音Dで、バイオリンの低い音域です。開放なので左指で押さえる必要がなく、はじいても弓でも自由に響きます。

D4、開放D弦。指は不要で、弦だけで音高を作ります。

標準調弦の4弦。開放D(D4、MIDI 62)を強調しています。記事の全例はこの弦だけです。
初心者練習で開放D4だけを使うのは意図的です。左手課題を除き、はじくか弓か、いつ切り替えるかという右手に全注意を向けられます。開放で両技法が確かになれば、同じ奏法読譜はどの弦の押弦音にもそのまま使えます。左も働いていてもpizz.とarcoの読み方は変わりません。
練習は全体で2分音符と2分休符を使います。各音は4分音符拍2つ、各休符も2拍の無音で、合わせて4/4の1小節です。必要ならTissimoの2分音符と休符の資料「2分音符」で読み数え方を復習できます。テンポと4分音符の拍の背景は「拍を保つ:テンポとメトロノーム」にあります。
4. 準備区間を見つける
準備区間は奏法変更の直前にある休符です。その間は音が鳴らず、弓が動いても音を遮りません。奏者は無音で弓やはじく手を構え直します。

2分音符は2拍の音、2分休符は2拍の無音。合わせて4/4の1小節で、両方を数えます。
4小節練習の準備区間は第2小節の2分休符、つまり第2の3、4拍目です。最後のピッツィカート音(第2の2分音符)は第2拍で終わります。その後3、4拍目の休符を経て、第3小節1拍目からarcoです。この2拍が弓を動かす時点です。

第2小節の★付き2分休符が準備区間です。第3小節1拍目のarcoの前に、ここで静かに弓を構えます。
下の時間軸は4小節全体を奏法の領域に分けます。

4小節のどこで各奏法が有効か。★は第2小節3、4拍目の準備区間です。arcoが有効になるのは第3小節1拍目です。
同じ情報を1拍ずつ見ると2拍の区間が具体的になります。

16拍をマスに配置。発音マスは塗りつぶし、休符マス(—)は無音。★マスがarco前の唯一の無音準備区間です。
重要なのは身体的な意味で、弓の構え直しはarcoの入りの間でなく、★の2拍の中で完了します。第3小節1拍目でも弓が動いていれば入りが遅れます。修正は同じで、区間を使えるまでテンポを下げ、習慣ができたら徐々に上げます。
5. 開放Dの4小節練習
全練習は4分音符=60、1拍1秒の4小節です。各小節はD4の2分音符と2分休符、第1、2はピッツィカート、第3、4はアルコです。arcoは第3小節1拍目にあります。

完全な開放Dの4小節練習。第1〜2はピッツィカート、第2の休符で弓を準備、第3〜4はアルコ。すべての音が開放D4で左指は不要です。
下の3小節は変更の仕組みを切り出します。第1でpizz.を設定、第2で継続を確認して準備区間を使い、第3でarcoを開始します。

第1ははじく。第2は再びはじき、2分休符で弓を準備。第3は弓の入りで、1拍目に弓を動かします。
時間どおり入るには、第3小節開始時に弓がD弦に置かれているべきで、近づいている途中ではありません。

第3小節1拍目。この瞬間、弓はすでにD弦上にあり、まだ位置へ移動中ではありません。
次の6段階は各段階を分けます。遅いテンポで順に進め、楽になってから4分音符=60へ上げます。

明瞭なarcoの入りへの6段階。第3小節1拍目前に弓が置けていなければ手順1から繰り返します。
手順が働く確かな合図は、手順5で弓を構える間、弦の雑音も偶発的な弓接触音もなく何も聞こえないことです。完全な無音の準備は★区間が閉じる前に弓が弦へ到着したことを意味し、それが目標です。声で数えるか拍をたたくと、無音の移動が数えた3〜4拍目の後でなくその間に起こる助けになります。
6. 発展:8小節の経路
4小節が明瞭になったら、arcoの後pizz.へ戻る2回目の変更です。8小節はpizz.(第1〜2)→arco(第3〜6)→pizz.(第7〜8)。準備区間は第2の2分休符でarco、第6の2分休符でpizz.の2つになります。

8小節の拡張。変更は1回でなく2回。第2の休符でarco、第6で再びpizz.を準備する2区間です。
第6休符から第7小節1拍目のpizz.への準備も同じ理屈です。弓の腕を緩め、休符中に右人差し指をはじく位置へ移し、第7の1に正しく入ります。第3〜5でarcoが定着し第6に準備区間が来るため、2回目を見逃す場合があります。第6の3〜4拍目に注意し、役立つなら両区間を鉛筆で記します。
第5、6には新しい奏法記号がありません。それでもarcoなのは第3のarcoが有効だからです。それを初めて取り消すのは第7のpizz.です。第2節の継続規則が長い区間で働いています。
Music Markの弦楽器カリキュラム(musicmark.org.uk)は初期の弦技法を扱い、奏法記号への注意を別の準備段階とすることは自然にその順序へ合います。8小節の経路はその段階を具体化します。変更2回、区間2つ、開放弦1本、左手課題なしです。
7. 誤りを診断する
よくある原因は3つです。奏法違い(はじくべき所で弓、または逆)、時間違い(奏法は正しいが入りが遅い)、音違い(違う弦)です。この練習は常に開放D4なので3つ目は「弦違い」です。最初の2つは奏法と時間の誤りで、別の修正が必要です。

準備領域、第2小節とその休符。奏法違い、遅い運弓開始、弦違いは独立した誤りで、1つずつ直します。
奏法違いは直近の印刷記号を見失ったことです。誤りの箇所で止め、前へ戻って最新のpizz.かarcoを探し、そこから読み直します。推測せず遡ります。現在の段になければ前の段末を見ます。
入りの遅れは奏法は正しくても1拍目に弓やはじく指が未準備だったことです。楽に区間を使えるまで遅くし、休符も数えていると確認してから徐々に速くします。メトロノームやクリックは弓を待たないため、遅れをすぐ聞き取れます。
弦違いは右手が違う弦に当たったことです。D4では多くの場合、隣の高いA4か低いG3です。止まり、D弦を目で確認して再開します。触覚での弦識別には時間が必要で、初期には見るのが正しい方法です。

奏法、音、時間、響きを別々に確認します。この練習の誤りの多くはちょうど1分類に属します。
時間の誤りを奏法の誤りとして扱っても、逆でも直らないので分けることが重要です。まず1小節を単独で弾き、何が違ったか正確に観察して分類し、適切な修正を使います。先生が短い録音やライブ演奏を聴いて分類を確認すると、練習中の自己診断より速いことが多いです。
演奏前に奏法記号を体系的に読むには、「どの動作が有効?」(練習156)が短い時間軸から指定拍の奏法を推論するカード課題を提供します。「はじく、準備、弓」(配布資料456)は時間軸図と文字版付きの4小節開放D練習です。

このレッスンの無料資料456はtissimo.co/worksheets/violin-pizz-arco-state-lineにあります。
印刷休符を準備区間にする技法は、構え直しに時間を要するどの楽器にも使えます。バイオリンではpizz.からarco、その逆のどちらにも当てはまります。遅いテンポで1開放弦上に習慣ができれば、合奏や本番でも自動的に使えるようになります。区間はすでに音楽の中で使われるのを待っています。
Tissimoの先生はライブレッスンでarcoの入りと弓位置を聴き、準備が区間内か後か直接助言できます。「休符」は音楽の構造要素としての無音を扱い、各音価には対応する休符があります。
この記事をオンラインで読む:https://tissimo.co/ja/articles/violin-pizzicato-arco-change-with-rest

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